成瀬映画に登場する風景

NEW 2019.11.22

『鶴八鶴次郎』(1938年) B 


映画の後半。
鶴八(山田五十鈴)と喧嘩別れした鶴次郎(長谷川一夫)が、地方のドサ廻りをしている途中のある地方の街道の宿場町のシーン。
前から知っていたのだが、長野県上田市のフィルムコミッションのHPには、本作のロケ地が以下のように書かれている。
・矢出沢川、市街地

下記HP参照 「上田市ロケ作品」→「映画」
http://www.ueda-cb.gr.jp/fc/

管理者の知人が先日上田市を訪れたのだが、本作の画面写真と上記情報を見てもらったところ
「矢出沢川の近くの旧北国街道の柳町だと思う」とのこと。
あくまで推定ロケ場所ではあるが、後ろに山が映っている。
右側の建物で隠れているが、別のグーグル写真を見ると画面写真と同じように右側に上っている。

現在は蓋をしているが用水が流れているなど、ここの可能性は高いだろう。グーグル写真使用。
何しろ81年前の映画なので、街並みの変化は当然だ。

長野県上田市「矢出沢川」。写真左側が柳町(旧北国街道)

         


 


新内のコンビの三味線=鶴八(山田五十鈴)と喧嘩別れして、一人地方のドサ廻りをしている太夫=鶴次郎(長谷川一夫)。
鶴次郎が宿を出ると、子供たちが壁に貼ってある、鶴次郎の名前の入った興行ポスターの紙を破いて、用水に流して遊んでいる。
それを複雑な表情で眺めている鶴次郎。
落ちぶれた鶴次郎の悲哀を上手く表現した成瀬演出が光る。

本作はユーチューブで検索すると観ることもできる。

 

 


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